自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の1割程度に直接クームス試験(DAT)陰性例(クームス陰性AIHA)があり、診断に苦慮する。多くはDAT感度以下の赤血球結合IgGが原因だが、低親和性IgGやIgA/IgM自己抗体を含めた検査を行うと網羅的な診断・分類が可能となり、治療前の検査で感度は97%、特異度は84%であった。これらの検査が陰性であっても、他の溶血性貧血の否定とステロイド反応性から ‘臨床的に診断されたクームス陰性AIHA’ は比較的予後不良で、クームス陰性AIHAの17%に認められるが、ステロイド治療前に検査を行った症例では4%であったことから、治療前の検査が推奨される。
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