研究課題/領域番号 |
18K07426
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
馬原 孝彦 東京医科大学, 医学部, 客員教授 (70266477)
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研究分担者 |
秋元 治朗 東京医科大学, 医学部, 教授 (10212440) [辞退]
羽生 春夫 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10228520)
清水 聰一郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (10385031)
平尾 健太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (40516639)
河野 道宏 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (50718707)
橋本 孝朗 東京医科大学, 医学部, 講師 (60266517)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 分子制御された細胞死 / オ-トファジ- / 脳血管障害 / 動脈硬化 / リン酸化TDP-43 / 頸動脈プラ-ク / マクロファ-ジ / 14-3-3蛋白 |
研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究の成果については、交付申請書に記載した「研究実施計画:B 認知症と脳血管障害の緊密な関連性」の部分での成果が一部得られた。前頭側頭型認知症の原因蛋白のひとつであるリン酸化TDP-43のヒト内頚動脈プラ-クおよび主幹脳動脈硬化巣での局在を検討した。ヒト内頚動脈プラ-クでは肥厚したマクロファ-ジおよび内膜に浸潤した肥厚平滑筋細胞でのリン酸化TDP-43の局在を確認した。これはこれまでに報告のない新知見である。さらにそれらの部位のマクロファ-ジおよび内膜に浸潤した肥厚平滑筋細胞でのリン酸化TDP-43と14-3-3蛋白、HMGB1との共局在についても詳細に検討した。これらの新知見はリン酸化TDP-43を中心とした「分子制御された細胞死・オ-トファジ-」の機構の一部を反映した所見と考えている。この成果は現在英文雑誌に投稿中である。 予備研究で、リン酸化TDP-43の、脳梗塞での発現を認めている。その検証のために、TDP-43を認める前頭側頭型認知症と脳梗塞では、TDP-43を介した神経細胞死の共通経路が存在するとの仮説を立てた。その後の検討で、脳梗塞急性期の神経細胞ではリン酸化TDP-43の局在は認められなかった。この所見はこれまでの報告とほぼ一致している。一方で、脳梗塞慢性期のミクログリアでのリン酸化TDP-43の局在について多数例で検証した。 AD、レビ-小体型認知症、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血急性期臨床例で経時的採血症例の蓄積を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AD、レビ-小体型認知症、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血急性期臨床例で経時的採血症例の蓄積がやや遅れている。頸動脈主幹脳動脈狭窄拡張血管内治療時の血管内治療時の病変前後の採血はまだ実施できていない。血中HMGB1/14-3-3蛋白/TDP-43/beclin1/rubiconをELISA法で測定し、神経細胞障害マ-カ-として検証する予定であるが、上記症例の蓄積を今後より重点項目として行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
この一年で、TDP-43の多方面での研究がさらに増加し、特に注目されている。前頭側頭型認知症や筋萎縮性側索硬化症のみでなく、多岐にわたる疾患で、細胞死に関与している可能性がある。我々も、TDP-43に関する研究が最も結果をもたらす可能性を実感している。今後は、TDP-43をより研究の中心にすえて発展させていく予定である。特にリン酸化TDP-43の多疾患の各細胞での局在の確認をまず優先したい。AD、レビ-小体型認知症、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血急性期臨床例で経時的採血、頸動脈主幹脳動脈狭窄拡張血管内治療時の血管内治療時の病変前後の採血の実施の推進を重点項目とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
AD、レビ-小体型認知症、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血急性期臨床例で経時的採血症例の検体、および頸動脈主幹脳動脈狭窄拡張血管内治療時の血管内治療時の病変前後の採血検体の、血中HMGB1/14-3-3蛋白/TDP-43/beclin1/rubiconをELISA法で測定する予定の予算を計上していたが、それらの検体の集積が遅れており、そのため、上記測定時に使用予定の予算が現状となっている。
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