研究課題
本年度(令和3年度)研究実績。オートファジ-抑制因子であるRubiconは、beclin1の結合タンパクのひとつである。ヒト頚動脈プラ-クと脳動脈硬化巣のマクロファ-ジでのRubiconの局在を検討し、顆粒状の局在を確認した。これまでにこの実績の報告はない。動脈硬化巣におけるオートファジ-の抑制系にもRubiconが関与している可能性が示唆された。論文作成中である。BRCA1はゲノム安定性の維持に機能している最近注目度が高い蛋白質である。多機能を有する蛋白で、オートファジ-への関与も示唆されている。ヒト頚動脈プラ-クと脳動脈硬化巣のマクロファ-ジでのBRCA1の局在を確認した。これまでにこの実績の報告はない。動脈硬化巣におけるオートファジ-またはゲノム安定性の維持にBRCA1が関与している可能性が示唆された。論文作成中である。令和1年度に、リン酸化TDP-43の内頚動脈プラ-クおよび主幹脳動脈硬化巣の、マクロファ-ジおよび内膜に浸潤した肥厚平滑筋細胞での局在、および14-3-3蛋白、HMGB1との共局在を論文発表した。このリン酸化TDP43の新規局在の明示は、認知症画像診断の精度向上に役立つ。令和2年度の実績。Beclin-1複合体が刺激されると、オートファーゴソーム形成が促進される。Beclin-1に14-3-3蛋白が結合するとオ-トファジ-は抑制され、HMGB1との結合で活性化する。3物質の共局在の知見はこれまでにない。ヒト頚動脈プラ-クと脳動脈硬化巣のマクロファ-ジでのBeclin1局在を確認し、14-3-3蛋白、HMGB1との共局在も確認した。Beclin1の制御はオートファジ-制御に直接的に関与しうる。前頭側頭型認知症の原因蛋白のひとつのリン酸化TDP-43の慢性期脳梗塞マクロファ-ジでの局在、14-3-3蛋白、HMGB1との共局在の論文を完成させた。