本研究は、脂肪細胞のブラウニングフェノタイプ変換におけるLDL受容体スーパーファミリーLR11の役割を解明することを目的とした。脂肪組織より二次元培養褐色脂肪細胞と三次元培養ベージュ脂肪細胞を調整し、その細胞生物学的解析から、LR11は白色、褐色、ベージュ脂肪細胞フェノタイプ間のトランスディファレンシエーション機構に関わることが示唆された。ヒト検体解析により、血中可溶性LR11が動脈硬化の進展した病態において高値を示した。LR11は脂肪細胞のブラウニングトランスディファレンシエーションの制御破綻により動脈硬化の進展した病態を表す検査マーカーになる可能性がある。
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