研究課題/領域番号 |
18K07429
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
渡邉 和彦 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (70742758)
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研究分担者 |
河野 正己 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20170201)
猪子 芳美 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (50386265)
大越 章吾 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (70231199)
廣野 玄 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (80386268)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 / 胃食道逆流症 |
研究実績の概要 |
以下の2つのテーマを軸に、多角的に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と胃食道逆流症(GERD)の関連性を検討するための臨床研究を進めた。 1.OSASとGERDの合併、問診による眠気指数(ESS)の関連について、実臨床における自覚症状から分析するために、当大学での新規OSAS患者を対象に、GERD診断に用いられる改訂Fスケールによる前向きの問診調査を開始した(当大学倫理審査委員会許可番号ECNG-R-349)。この調査では、CPAP導入によるGERD症状への影響も合わせて評価できる。現在症例数は37例であり順調に症例数を増加している。今後100例を目標に、さらに症例を蓄積して調査を継続する。令和元年度中には中間解析を行い、学会発表や論文投稿を予定する。 2.OSASとGERDの関連性を、両者の客観的データを回収、解析することにより明らかにするため、当大学での新規OSAS患者を対象に、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)と食道pH/インピーダンス検査の同時測定調査を開始する予定としているが、この調査に必須である食道pH/インピーダンス測定機器、及び検査用カテーテルを平成31年10月に購入した。また、食道pH/インピーダンス測定を行うためのチューブ留置、データ解析に習熟するため、健常人ボランティアを対象に予行測定を行った。PSGと食道pH/インピーダンス検査の同時測定調査に関しては、現在当大学倫理審査委員会に申請中であり、令和元年6月には調査を開始する予定である。 OSAS、GERDの関連性や食道pH/インピーダンス測定経験に関して、平成31年3月の当院での地域連携研究会で発表した(第7回はまうら会)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.OSAS、GERDに関する改訂Fスケールを用いた問診による臨床研究については、当大学倫理審査委員会から承認を受けた上で、順調に症例数を増やしている。 2.PSGと食道pH/インピーダンス測定の同時測定調査については、現在倫理審査委員会に申請中ではあるが、調査に必要な機器は購入済みであり、検査手技や解析にも慣れ、承認を受ければいつでも研究が進行できる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
1.現在申請中の、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)と食道pH/インピーダンス検査の同時測定調査を開始する。この調査から、どのような薬物治療がGERD、及び睡眠状態の改善につながるかどうか検討する。GERD治療の第一選択はプロトンポンプ阻害薬(PPI)投与である。しかし、通常のPPI投与では夜間酸逆流(NAB)を完全に防止できないとされている。NABが防止できない場合には新規PPIであるボノプラザンが有効とされる。食道蠕動低下によりGERDをきたす症例も存在し、この場合はアコチアミドや六君子湯といった消化管運動改善薬が有効とされる。ラメルテオンなどの睡眠導入剤が食道知覚過敏を改善してGERD症状にも有効であることも報告されている。これらの知見を参考に、上部消化管データ測定結果に基づき、病態に応じた薬物投与を検討する。 2.上記研究を基に、日中の眠気が残るOSAS患者に対する薬物治療アルゴリズムを考案し、実際に効果があるか否か前向き臨床研究を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
食道pH/インピーダンス測定には、測定機器と測定用カテーテルが必要である。測定用カテーテルを一括ではなく、必要に応じて購入する方式としたため、次年度使用額が生じた。 次年度にも測定用カテーテルを購入する。
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