Neutrophil extracellular traps(NETs)は、好中球のクロマチンが網状構造に変化して病原微生物を捉える生体防御機構であるが、近年、NETs成分が血小板を刺激して血栓症を誘発することが新たな病態として注目されている。 そこで本研究では、NETs形成の分子メカニズムと、NETsが血小板の活性化を介して血栓症に至るプロセスの解明に取り組んだ。研究成果の学術的意義として、好中球の細胞骨格の制御が、NETs形成に必須であることを見いだした。さらに社会的意義として、NETs由来の2種類のタンパク質を血小板活性化候補として提案した。血栓症の早期診断法の開発に寄与する。
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