研究課題
基盤研究(C)
本研究では、我々が見出した異性体を含む多種類の糖鎖腫瘍マーカー群を、質量分析の Selected reaction monitoring (SRM)法により、高精度、高感度、多項目同時測定する技術の確立を目指した。使用するHPLC、配管径、用いるカラム、溶媒、溶出条件など様々なパラメーターを検討した。その結果、多項目同時測定可能な条件を見出すことができた。数種類の糖鎖混合物を用いて精度、感度の確認も行った。
糖鎖生物学
現在、腫瘍マーカーの測定はすべて抗体を用いるELISA法が利用されている。ELISA法では、複数のマーカーを同時に測定することは困難で、個々のマーカーを別々に測定している。そのため、2-3種類のマーカーを選択している。一方、SRM法では多項目を同時に測定することが可能であり、今回の研究で、我々が見出した糖鎖腫瘍マーカー群を多項目同時に測定する方法を確立した。臨床検査において、腫瘍マーカー群のELISAと並ぶ測定方法になると期待される。