マウスに五苓散を投与すると、糞便中の2次胆汁酸の濃度が高くなった。しかしながら盲腸内DNAの解析のみでは、五苓散が腸内細菌による胆汁酸の2次代謝を亢進したことを明確に証明できなかった。五苓散の投与は、大腸における胆汁酸受容体制御性遺伝子の発現には有意な影響を及ぼさなかった。防己黄耆湯をマウスに投与すると、糞便中のデオキシコール酸の濃度の低下と、αムリコール酸の濃度の上昇が生じた。これらの変化によって腸管内胆汁酸の疎水性が低下し、かつ腸管におけるFXR活性化が低下することで、防己黄耆湯による糞便中コレステロール濃度の上昇と、肝臓の脂質レベルの低下が生じたと推測した。
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