リスク/ベネフィット・バランスが一般に小さい高齢者がん治療では、生活の質(Quality of Life, QOL)を重視する傾向にある。本研究では、3つの多施設共同大規模臨床試験のデータを用い、FACT-Lスケールを用いて測定したQOLがPS・年齢・性別・病期・組織型・認知機能を調整した上で有用な治療アウトカム予測因子であるか検討し、独立した予後予測因子であることを確認した。また、がん化学療法による有害事象のうち重要なものの一つである神経毒性について、神経毒性の指標であるFACT/GOG-Ntxスコアにおいて、いわゆる「臨床的に意味のあるQOL変化」が4点以上であるかを明らかにした。
|