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2020 年度 実績報告書

自己免疫的機序に基づく高脂血症の診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K07444
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 浩靖  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00631201)

研究分担者 木原 進士  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20332736)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード自己免疫性脂質異常症 / 冠動脈疾患 / プラーク
研究実績の概要

後天的脂質代謝異常症の症例解析として、脂質代謝関連分子に対する自己抗体の存在を全国の医療機関から依頼された脂質異常症例検体で調べた。調査対象抗原に対する自己抗体が検出されない検体もあったが、明らかな自己免疫疾患を有さない14歳の高中性脂肪血症症例の治療前の血清で抗GPIHBP1自己抗体価が上昇、ステロイド治療により自己抗体の減少と高中性脂肪血症の改善が認められ、抗GPIHBP1自己抗体による自己免疫性高中性脂肪血症と診断された症例を報告した。
自己抗体の意義の検討については、まず、糖尿病症例における抗apo B-100自己抗体をhome-made ELISA法にて測定した。抗原にはapo B-100分子のLDL粒子外側に表出している領域にある2つのペプチド(p45, p210)とその酸化型ペプチドを用いた。抗apo B-100自己抗体価は、LDL-コレステロール値と有意に逆相関し、動脈硬化性疾患を有する群で有意に低値であった。この相関はスタチン服用群でより顕著であった。ロジスティック回帰分析では、酸化型p210に対するIgGクラスの自己抗体価が動脈硬化性疾患と最も強く関連する独立因子であった。従って、スタチン使用でLDL-Cが良好にコントロールされている症例でも、酸化型p210に対するIgGクラスの自己抗体価が低値である症例では動脈硬化リスクの高い症例として注意深くフォローする必要があると考えられた。
また、男性安定狭心症患者を対象として、同様の方法で測定した抗apo B-100自己抗体は、冠動脈病変のプラークの体積率と有意な負の相関を示し、スタチン非服用患者群ではこの自己抗体価はプラーク体積率だけでなく、プラーク不安定性の指標とも負の相関を示していた。従って、抗apoB-100自己抗体の測定は非侵襲的に冠動脈プラークの安定性の予測マーカーとなることが考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Acquired marked hypertriglyceridemia with anti-GPIHBP1 antibodies.2020

    • 著者名/発表者名
      Minami Imai, Hiroyasu Yamamoto, Teppei Hashimoto, Hidenori Koyama, Shinji Kihara
    • 雑誌名

      Pediatrics International

      巻: 62 ページ: 651-653

    • DOI

      10.1111/ped.14154.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anti-Apo B-100 Autoantibody is a Marker of Unstable Coronary Plaque.2020

    • 著者名/発表者名
      Minami Imai, Mari Kawamura, Ikoi Kochi, Tetsuro Matsuoka, Shinji Kihara, Hiroyasu Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Atherosclerosis and Thrombosis

      巻: 27 ページ: 000-000

    • DOI

      10.5551/jat.58784.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 小児に認められた 自己免疫性高中性脂肪血症の2症例2020

    • 著者名/発表者名
      今井みなみ、山本浩靖、小山英則、木原進士
    • 学会等名
      第20回日本内分泌学会近畿支部学術集会
  • [学会発表] 自己免疫性高中性脂肪血症の小児2症例2020

    • 著者名/発表者名
      今井みなみ、山本浩靖、木原進士、小山英則
    • 学会等名
      第29回内分泌代謝Update
  • [学会発表] 自己免疫性高中性脂肪血症の小児2症例2020

    • 著者名/発表者名
      山本浩靖、今井みなみ、小山英則、木原進士
    • 学会等名
      第52回日本動脈硬化学会総会・学術集会
  • [学会発表] 14歳で初めて高TG血症、急性膵炎を発症した抗GPIHBP1抗体に伴う自己免疫性高TG血症の一例2020

    • 著者名/発表者名
      長谷川千穂、中山良朗、久高将太、玉城敦子、照屋理子、本間健一郎、屋比久賢光、 照屋太輝、仲村武裕、吉村蘭、竹本のぞみ、上原盛幸、山城清人、木原進士、山本浩靖、益崎裕章
    • 学会等名
      第63回日本糖尿病学会年次学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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