研究課題
基盤研究(C)
日常診療内で撮影された閉経後2型糖尿病女性の腹部CT画像を二次利用し、脊柱起立筋群の筋および脂肪面積の定量法を構築した。椎体骨折者では非骨折者と比較して、「背筋」と呼ばれる脊柱周囲筋は、腹腔内の脊柱起立筋である大腰筋と比較して、有意に脂肪含有面積が高値でおよび脂肪化を伴わない筋面積が低下していることを見いだした。この成果は、2型糖尿病において脊柱起立筋群のサルコペニア化や脂肪化が椎体骨強度の脆弱化の病因である可能性を示唆しており、脊柱周囲筋の筋量増進による骨粗鬆症予防戦略が期待される。
続発性骨粗鬆症
骨密度で骨強度の評価が困難である2型糖尿病の椎体骨の脆弱性亢進機序において、脊柱周囲筋群の筋量低下や脂肪化との関連を臨床研究により初めて見いだした。筋の脂肪化や筋量喪失は、いわゆる立位姿勢の「前傾化」をもたらし、椎体荷重面が変化して椎体強度低下をもたらす可能性が考えられる。この成果は、2型糖尿病において脊柱起立筋群のサルコペニア化や脂肪化が椎体骨強度の脆弱化の病因である可能性を示唆しており、脊柱周囲筋の筋量増進による骨粗鬆症予防戦略が期待される。