研究実績の概要 |
科研の目的 Helicobacter pylori(ピロリ菌)感染と宿主免疫反応と胃癌の関係において 1)Th2優位の免疫を強く誘導すると、胃癌発症が誘導できるのか?動物実験を行う。 2)抗原提示細胞内で、貪食された抗原の分解をするリソゾーム内のプロテアーゼ阻害分子であるCystatinAのピロリ菌感染時の免疫学的機能と胃癌患者での発現解析(胃癌発症のマーカーになるか?)患者さんのリンパ球及び培養細胞を使った実験を行う。 において以下の結果を見出した。1)早期胃癌治療後の再発胃癌の患者におけるインターロイキン-10(IL-10)の一塩基多型(SNP)およびIgGサブクラスの応答を解析した。1082 SNPにヘテロタイプおよび592 SNPのCC遺伝子型を有する患者は,胃癌の再発のリスクが高いことが判明した。 再発のリスクが高い遺伝子型の患者では,Th2 (T helper 2)の液性免疫優位な時に産生されるIgG1レベルは、他の遺伝子型の患者より高い傾向があった。Association of host immunity with Helicobacter pylori infection in recurrent gastric cancer.Sato M, Miura K, Kageyama C, Sakae H, Obayashi Y, Kawahara Y, Matsushita O, Yokota K, Okada H Infect Agent Cancer. 2019 Feb 11;14:4. 2)動物実験の準備を行い、動物実験委員会の実験計画の許可を得て、現在、ピロリ菌を投与し感染動物を観察中である。今後Th2を誘導するIL10の投与、Th1を誘導するIFN-gammerの投与行い、免疫反応を解析する予定である3)CystatinAの実験においては、NOMO1細胞にピロリ菌を感染させCystatinAの発現を検討中である。また患者リンパからmRNAを抽出し、cDNAを作成後、保存中である。
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