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2020 年度 実施状況報告書

細菌抗原の結合した血小板による複合体形成が誘発する疾患メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K07449
研究機関高知学園大学

研究代表者

森本 徳仁  高知学園大学, 健康科学部, 教授 (60398055)

研究分担者 上岡 樹生  高知大学, 医学部附属病院, 客員教授 (00274374)
松村 敬久  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (10274391) [辞退]
西田 愛恵  高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (30600796)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔内常在菌 / 慢性持続感染 / 抗原抗体複合体 / 細菌抗原
研究実績の概要

各種疾患の発症機序の一つとして、口腔内や腸管内に常在する細菌叢による影響が示唆されている。本研究では、特に口腔内常在菌による慢性持続感染(定着)が生体に及ぼす影響について解析を行なっている。先行して行なった解析では、一部の口腔内常在菌に対して被検者の血中に抗体を有することや、全血に分離された細菌抗原を添加しインキュベートした(細胞刺激を行なった)のち、遠心分離した上清中のサイトカイン(IL-6)を測定した結果、一部の細菌で非常に高いIL-6値を示すものが認められた。高値を示す細菌株にはLeptotrichia sp., Campylobacter sp., Neisseria sp., Capnocytophaga sp.などが見られ、特にLeptotrichia sp., Campylobacter spについては、通常の臨床検査領域では分離しにくい嫌気性菌であった。
現時点において、合計7名のボランティア(被検者)より歯間ブラシによる口腔内細菌の分離を完了した。アネロコロンビアRS血液寒天培地(嫌気性菌分離用培地)およびヒツジ血液およびチョコレート寒天培地(いずれも通性嫌気性および好気性菌分離培地)上に発育したコロニーのうち、肉眼的観察等で異なる所見が認められた菌株は、一人当たり9-14菌種(平均:11菌種)であった。そのうち嫌気性菌が半数以上を占めていた。
現在、これらの菌株はストックする一方で、菌種の同定を進めている。菌種の同定には、従来の生化学的性状のみでは同定できない可能性が高いため、細菌の有する16S rRNA領域のPCRによる増幅を行い、その塩基配列についてデータベースに基づく相同性検索を行い菌名を決定する。その際に、同一被検者から同一の菌種であること同定された場合は、再度コロニー性状等を観察した上で選別を行を行なった上で、今後の解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

職場の移動等もあり、研究室の構築に時間を要したため研究にやや遅れが生じている。また、上述した通り、口腔内には多数の常在菌が存在するとともに、日常の細菌検査では検出できないようなレベル(長期の培養時間が必要)の嫌気性菌を分離、増菌しなければならず時間を要している。

今後の研究の推進方策

被検者からの口腔内常在菌の分離はほぼ完了したことから、今後はこれらの菌種の遺伝子学的同定および被検者血液との抗原抗体反応および細菌抗原による生体内細胞刺激によるサイトカイン等の産生について解析を行う。また、血小板との結合性や細菌自体が有する生体に及ぼす因子についての同定を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

前年度に購入した試薬等の残りが活用できたことおよび学会参加が出来なかったため次年度使用額が生じた。今後、研究室での装置等の購入予定があるためその費用に充てつつ研究を継続する。

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公開日: 2021-12-27  

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