本研究では従来の酸化還元反応による検出ではなく,直接,過酸化水素を定量する高感度測定系の構築を目指し、H2O2・金属・キレート錯体形成と界面活性剤による三次元錯体の発色を誘導することで現行のオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ発色法よりもさらに高感度で特異性の高い新しい検出系の開発を試みた。検討の中で、本法が試料から混入する蛋白成分による反応溶液の濁りの影響を強く受けることが判明したことから、本法の分析技術の適用範囲を蛋白が少ない環境下へと制限することとして、適用対象を再検討したところ、細菌検査やウイルス診断検査における核酸増幅の検出技術としての応用の可能性があることを見出すことができた。
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