• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

アルツハイマー病におけるタウ蛋白伝播機構の解明と治療ターゲットの研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K07456
研究機関順天堂大学

研究代表者

本井 ゆみ子  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60338407)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードタウ蛋白 / 伝播 / 凝集 / プリオン
研究実績の概要

タウトランスジェニックマウスTg601による伝播モデル作成のために、アルツハイマー病脳サルコシル不溶性画分をTg601マウス(N = 20)および正常マウス(N = 20)の一側海馬に注入した。約18カ月後に、バーンズ迷路テスト、モーリスウオーターメイズテストを行い、現在結果を解析中である。Y-mazeテスト、高架式十字迷路テストおよびバランスビームテストでは注入による影響は認められなかった。高架式十字迷路テストでは、Tg601群にのみ恐怖感情の障害を認めた。同マウスをサクリファイスし、組織学的検索をしたところ、リン酸化タウ陽性の神経細胞およびNeuropil threadsが両種のマウスの海馬歯状回、錐体細胞層、海馬采、脳弓、中隔核に認められた。海馬錐体細胞層のリン酸化タウ陽性神経細胞数はTg601マウス群で正常マウス群よりも優位に多かった。しかし、マウス間でのばらつきが顕著であった。
進行性核上性麻痺患者脳ホモジネートを正常B6Jマウスの一側海馬に注入し、数カ月後にサクリファイスし、組織学的に観察した。3ヶ月、6ヶ月後にはリン酸化タウ抗体陽性の構造物は認められなかったが、18カ月後には海馬周囲にリン酸化タウ陽性の神経細胞を認めた。脳幹部分の切片を細かく作成し、観察中である。
細胞モデルを用いた欠損変異体による伝播阻止配列同定については、タウC末端配列を10種に分け欠損変異体を作成し、アルツハイマー病脳またはリコンビナントタウ凝集体をシードとして添加し、現在、10種の変異体での違いを観察している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウス実験では、マウス間でのばらつきが強かったが、解析するマウスの個体数が20匹と多かったので、個体間の格差を誤差とできる統計結果がだせた。細胞モデルは作成したリコンビナントの精製度、分解度により、同じ細胞実験を行っても異なる結果がでることが頻繁であったが、seedとしてヒトアルツハイマー病脳を使用することにより何とか安定する結果がだせることがわかった。

今後の研究の推進方策

伝播モデルマウス作成については、行動解析は終了したので、組織学的な広がりを前頭葉部および脳幹部まで精密に観察する。また、伝播タウに対する反応としてグリア細胞増生、神経細胞数減少、またヒトタウの伝播に対する巻き込みがないかどうかを解析してゆく。

次年度使用額が生じた理由

予定していた国際学会に私用により参加できなかったため、旅費分が繰り越した。抗体を節約して使用した結果、消耗品費が節約できた。今後は、抗体、試薬、消耗品、マウス飼育費、学会参加、論文化費用に使用する予定でる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] タウ蛋白伝播モデルマウスにおけるの行動および病組織理学的解析2018

    • 著者名/発表者名
      林 徹生、下中翔太郎、モンタシル・エラヒ、本井ゆみ子、服部信孝
    • 学会等名
      日本認知症学会
  • [学会発表] TauのC末端領域における凝集責任配列の同定とその性質の解析2018

    • 著者名/発表者名
      下中翔太郎、松本信英、本井ゆみ子、服部信孝
    • 学会等名
      日本認知症学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi