タウオパチーにおいてタウ蛋白が正常可溶性タウ蛋白を巻き込み、細胞から他の細胞へとプリオン蛋白のように伝播し病変が広がると考えられている。本研究では、アルツハイマー病脳ホモジネートを2ヶ月齢の野生型タウ過剰発現マウスTg601マウスの一側海馬に注入した。17~19ヶ月後、脳海馬にリン酸化タウおよび銀染色陽性のタウ病理およびミクログリアの増殖と、バーンズメイズテストにて学習障害を認めた。タウ病理とミクログリアの増殖はTg601マウスにて正常マウスよりも顕著であったが、学習障害には大きな差を認めなかった。長期間、老齢マウスで伝播を観察しえたことが行動障害をひきおこしやすい病態に結び付いたと考えた。
|