研究実績の概要 |
平成30年度は協力病院からの健診ビッグデータを入手した。 健診データの個人IDに重複が多く見られ(特定健診他、子宮がん検診、一般検診など複数回健診を受けるため)、単年度で2万人のデータクリーニングに時間を要した。 ○学会発表 富山大学アカデミックGala 2018にて、「ビッグデータを用いた生活習慣病に関する研究」の題名でポスター発表を行った。2016 年度の単年度の横断研究である。約20000名の対象者のうち、糖尿病の有病率8.4%、メタボリック症候群は14.8%、冠動脈疾患は1.3%であることを明らかにした。冠動脈の有病と関連する要因はBMI(オッズ比:OR 1.23 /BMIが2上昇毎),男性(OR 2.45)、年齢(OR 2.58 /10歳増加毎)歩行速度が普通(OR1.37 「早い」がダミー)、体重が3㎏増減あり(OR 1.36)、睡眠不足(OR 1.61)の項目であった。 ○情報収集 社会経済的状況や地理的な分布との健康格差に関する情報を得るため、日本内科学会総会、EsriジャパンGISフォーラムin東京ミッドタウン、日本老年医学会総会に参加した。社会経済的状況による健康格差は内科医、家庭医の中でも大きな問題ととらえられるようになってきている。また、研究の結果は単に数字の羅列で示すのではなく、「地図上で見える化」することにより、視聴者や観客に対してメッセージが届きやすくする必要があり、基本的な地図化技術を習得した。
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