研究課題
本研究は、フレイルの主たる要因である低栄養・栄養障害と、心房細動との関連を臨床的に明らかにし、栄養介入を軸としたフレイル介入により、心房細動発症を予防しうるという仮説を証明することを目的としている。フレイルにはサルコペニアを主とした身体的要素と、孤立を主とした社会的要素、そして認知症を主とした精神的要素から成り立っている。身体的フレイルの原因であるサルコペニアの要因として、低栄養・栄養障害が挙げられること、精神的フレイルの原因である認知症にはアルツハイマー以外にも動脈硬化を基盤とした血管性も多いことや、動脈硬化は高血圧・脂質異常症・糖尿病を主体とした生活習慣や肥満が関係していることまでを考慮し、1. 栄養(低栄養、メタボリック症候群(過栄養・腹囲長超過))、2. 身体活動、3. 動脈硬化性心血管疾患、4.心房細動 これらの関連を広く詳細に検討を行った。 その結果、I. フレイル・サルコペニアの主たる要因である低栄養が、様々な心血管疾患の予後不良因子であること、II. 動脈の石灰化は高度の血管狭窄を来し、動脈硬化性心血管疾患の発症や血管性認知症の発症を経てフレイルを来すが、低栄養はこの動脈の石灰化をも促進すること、III. 腹囲長が超過しているメタボリック症候群やサルコペニックオベシティーにある患者では、その後の心房細動発症のリスクとなることを、明らかにした。また栄養を評価する際、14.89 × Alb (g/dl) + 41.7 × 現体重 (kg) / 理想体重 (kg)で産出されるGeriatric Nutritional Risk Index(GNRI)やコリンエステラーゼ(ChE)が有用であることを明らかにした。我々のこれまでの検討により、GNRIやChEを指標とした栄養評価と適切な栄養介入の重要性が明確となった。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 12件)
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