研究実績の概要 |
2023年度は本解析を行い、訪問診療の会話内容の分析を完了した。分析は、量的分析として、RIAS(The Roter Interaction Analysis System) で、発話が果たす機能をカテゴリー化した。まず在宅診療について分析するためのカテゴリー(Additional categories for home medical)を追加した. その上で、7クリニックにおける訪問診療中の、患者、医師、付き添い者、専門職の会話、55例を解析した。在宅医療の構成人数、構成メンバーのパターンは、全55例のうち、患者、医師、付き添い者という三者構成の3名が28例(50.9%)で最も多かった。 医師の総発話9,295のうち、もっとも多いのはInfomation Giving のBiomedicalで2,263発話(24.3%)、41.1発話/1回の在宅医療、認められた。患者の総発話4,014のうち、もっとも多い発話はInfomation Giving のBiomedicalで、925発話(23.0%)、16.8発話/1回の在宅医療、に認められた。付添1の総発話5,135では、Reconfirmation、が957発話(18.6%)で、18.1発話/1回の在宅医療が、付添2の総発話360ではInfomation Giving のBiomedicalが76発話(21.1%)、7.6発話/1回の在宅医療が最も多く認められた。付き添い者2の発話割合は、付き添い者1とほぼ同様であることが明らかになった。医師以外の専門職、とくに看護師が、医師あるいは患者のために、患者あるいは医師の質問・情報提供などを繰り返す、言い換える発話があることも量的に明らかになった。 患者に関する診療に不在の専門職からの情報は、医師、患者、付き添い者のいずれからも提供され、在宅医療における多職種連携を促していた。
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