研究課題
2018年度は、Mark Williams, John Teasdale, & Zindel Segalの原法に基づいたマインドフルネス認知療法プログラム(毎週1回2時間×8週間×集団療法形式)を開発した。2019年度は、このプログラムを、様々ながん種や治療設定で活用できるよう、個人療法形式(1回約1時間×8回、治療間隔は個別性を優先)に修正した。セッションの構造の概要は、①前セッションからの振り返り(約5分)、②ホームワークの振り返り(約10分)、③当該セッションの中心的エクササイズの実施(約15~30分)、④エクササイズの振り返りと解説(約10分)、⑤次回までのホームワーク設定(約5分)という構造であった。その上で、慶應義塾大学病院において、同大学医学部倫理委員会の承認の下、種々のがん患者を対象に同プログラムの実施可能性を検討した。評価項目は、心理的苦痛(抑うつ、不安):Hospital Anxiety & Depression Scale(HADS)(主要評価項目)、心身の各症状:Edmonton Symptom Assessment Scale(ESAS)、睡眠状態:アテネ睡眠尺度であった。評価時期は、介入前、各セッション時、介入終了後1か月というタイミングであった。対象となった患者は合計7名で全員女性であった。がん種は乳がんを中心に婦人科がんも含まれた。全員が8セッションのプログラムを完遂した。介入前後で、上述の各種の評価尺度における改善が認められ、十分な実行可能性が担保されたと考えられた。 昨年度ならびに今年度の知見を踏まえて、マインドフルネス認知療法の時間効率的な実施方法を検討し、次年度以降の研究に活用予定である。
4: 遅れている
プログラム開発と試行に時間がかかった。また、新型コロナウィルスの流行のため、当該研究機関では、当該研究課題も含めて臨床研究がほとんど停止しており、今後も再開の見通しがたっていない。
新型コロナウィルスの流行がこのまま続くと、研究計画の大きな変更が必要となる。その理由は、①当該研究機関における臨床研究の再開のめどが立っていない。②本研究課題は、本来、集団療法で、多人数で長時間の対人接触が必須の介入で”三密”のリスクが非常に高い。そのため、介入の実施方法をインターネットを介したプログラムに変更するなどの方法を検討する必要がある。
本年度は、さまざまな背景の患者に適応が可能かどうかの、介入プログラムの修正と試用を行ったため、中心的な介入研究の実施は来年度以降にもちこされた。さらに、新型コロナウィルスの流行のため、実施施設における臨床研究研究の実施が休止となっている。次年度以降、研究計画の見直し、ならびに、課題遂行期間の延長申請を検討している。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (20件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (10件)
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