| 研究課題/領域番号 |
18K07477
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| 研究機関 | 順天堂大学 |
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研究代表者 |
平山 哲 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (10345506)
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| 研究分担者 |
廣瀬 伸良 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50189883)
三井田 孝 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80260545)
龍野 一郎 東邦大学, 医学部, 教授 (80282490)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 遊離グリセロール / トリグリセライド / インスリン抵抗性 / メタボリックシンドローム / 内臓肥満 / 高度肥満症 |
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| 研究実績の概要 |
【背景】トリグリセライド（TG）は、リポ蛋白の一部として血中を移動し、主に脂肪細胞に蓄積される。リポ蛋白および脂肪組織中のTGは、前者がリポ蛋白リパーゼ（LPL）、後者がホルモン感受性リパーゼ（HSL）によって水解される。TGの異化によって生じた遊離グリセロール（FG）と遊離脂肪酸はエネルギー貯蔵や脂質再合成に利用される。このようなTGの異化過程でインスリンはLPLを促進し、逆にHSLを抑制する。しかし、インスリン抵抗性がある場合、インスリン作用が不足するためにHSLを抑制できない。よって、インスリン抵抗性では脂肪組織に由来する空腹時FG濃度が上昇すると予想される。以上より、血中の空腹時FG値は、各種疾患における簡便で鋭敏なインスリン抵抗性の指標となる可能性がある。
【目的】汎用分析器で測定できるFG測定法を開発し、各種疾患における空腹時FG濃度がインスリン抵抗性指標（HOMA-IR）および内臓脂肪面積と関連するかを明らかにする。
【方法】高度肥満患者10名（M/F: 4/6, 平均BMI: 42.9 ± 8.4 / 44.5 ± 6.0 kg/m2）から早朝空腹時に静脈血を採取した。グリセロール酵素法を応用し、血中FGを発色系に直接導く高感度定量法を確立して、血中FG濃度と脂質検査、糖代謝検査、インスリン抵抗性指標および内臓脂肪面積との関連を検討した。
【結果および考察】 高度肥満患者における空腹時FG濃度は168.2 ± 85.5 μmol/Lであり、トリオレイン換算のTG量として14.9 ± 7.6 mg/dLに相当し、前報告での肥満のない正常対照に比して約2.5倍と有意な高値を示した。一方、高度肥満群のみでの単相関による検討ではFG値とBMIや糖および脂質検査指標との関連は認めず、サンプル数を増やし、継続した検討が必要と考えられた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
高度肥満患者10名から血液検体を採取し、血中FG濃度と糖および脂質代謝関連指標の測定を終了した。しかし、追加サンプルの収集、血中FG濃度の測定と各種パラメータとの関連の検討、CTによる内臓脂肪および皮下脂肪蓄積の評価に時間がかかり、これらの解析に時間を要している。
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| 今後の研究の推進方策 |
高度肥満患者に加え、糖尿病患者やメタボリックシンドロームなどの各種疾患における血中の空腹時FG濃度を測定し、インスリン関連指標との関係を検討する。また、空腹時FG濃度と内臓脂肪面積や皮下脂肪面積との関連を検討する。各種疾患における空腹時FG濃度や動脈硬化との関連を頸動脈超音波検査における最大内中膜厚を指標として検討する。高度肥満患者の内科治療（内科的減量）および減量手術（外科的減量）とFG濃度変動の関連について、体重変動、代謝マーカーおよびインスリン抵抗性の改善度を指標として解析する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の流行により、糖尿病患者や高度肥満患者などの各種疾患における検体収集に遅れが生じ、一部の評価項目の測定を実施できなかった。計画の遅れにより、次年度の試薬購入にあてる予定である。
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