研究課題/領域番号 |
18K07478
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
塩田 智美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70449073)
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研究分担者 |
石垣 景子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (10366304)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 慢性呼吸不全 / 呼吸管理 / 神経筋疾患 / 成人移行 / 人工呼吸器 / 先天性難病 |
研究実績の概要 |
本研究は、①小児科から成人内科への診療移行の実態調査、調査結果に基づいた問題点の明確化とシステム構築後の効果を立証する研究項目の設定、②呼吸器内科医が主導となる、全ライフステージに渡る包括的呼吸評価システムの構築、治療介入の実施、その効果の検証としてすすめている。①は、日本小児神経学会専門医1221名にアンケートを送付し約28%から回答、集計を終了している。呼吸管理を必要とする患児の移行実態、移行に関する問題、解決への提言の集計を得て、問題点が明確化した。現在論文作成中である。②は、2020年7月より、院内に包括的な呼吸評価システムに基づいた診療を担う専門外来を設け、治療介入の実施、効果の検証を開始している。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の蔓延により殆どの患者の定期外来通院がオンライン、電話診療に変更となり、新規患者の来院も減少したため、後方視的に神経筋疾患の呼吸管理を実施した患者(成人移行含む)を現在解析中である。97名の先天性・後天性の神経筋疾患の呼吸状態を評価した。内訳として17名は先天性疾患の成人移行目的(脊髄筋萎縮症4名、先天性中枢性低換気症4名、他)、1名は先天性疾患の成人転院(筋ジストロフィー)、79名は成人発症の疾患(筋萎縮性側索硬化症37名、多系統萎縮症18名、他)であった。小児科からの成人移行については、移行時の年齢、移行の円滑度、移行前後での呼吸状態の評価の介入回数の変化、急変回数の変化、予後を解析中である。成人期の診療患者については、原疾患確定から呼吸器内科初診までの日数、呼吸評価介入回数(経皮CO2併用終夜ポリソムノグラフィー、終夜SpO2モニター等)、呼吸管理機器の導入実態(NPPV、排痰補助装置)、器機導入後の設定変更回数、急変による予定外外来受診回数、急変による緊急入院回数、予後、について解析中である。今後論文発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2つの研究課題①小児科から成人内科への診療移行の実態調査、調査結果に基づいた問題点の明確化とシステム構築後の効果を立証する研究項目の設定、②呼吸器内科医が主導となる、全ライフステージに渡る包括的呼吸評価システムの構築、治療介入の実施、その効果の検証、について①は予定井どおりにすすみ、データ集計も終わり、論文作成中である。一方②については、研究計画中の2020年頃からの新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、患者の診療控え、診療スタイルの変更(来院から、電話診療やオンライン診療)、院内での検査自体の制限、一部一時中止等により当初の計画での施行が困難となり当初予期していないことが生じた。その状況で診療、評価した内容で症例を蓄積しつつも現在データ解析をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題①小児科から成人内科への診療移行の実態調査、調査結果に基づいた問題点の明確化とシステム構築後の効果を立証する研究項目の設定、については当初の方策どおり行えている。②呼吸器内科医が主導となる、全ライフステージに渡る包括的呼吸評価システムの構築、治療介入の実施、その効果の検証、については、課題採択以後の、2020年頃からの新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、新規患者のリクルート、定期来院受診による検査の実施が困難であったため、採択前の診療実績もふまえた一部後方視的な研究成果の発表を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
予期せぬ状況(新型コロナウイルス感染症のパンデミック)で来院や入院よる検査計画が予定どおりに進行していない状況があった。現在新型コロナウイルス感染症が沈静化しつつある状況下であらため検査機器の購入を検討している。 具体的には、当初の予定であった来院で検査可能な器機以外の、在宅での呼吸モニタリングシステム、および遠隔で呼吸状態の評価管理が可能な器機の購入を予定している。また論文作成発表にむけての英文校正、査読にも費用を計上予定である。
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