研究課題/領域番号 |
18K07483
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
藤井 靖 明星大学, 心理学部, 准教授 (50508439)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 認知行動療法 / 消化器心身症 / ストレスモデル / 携帯情報端末 / アプリケーション / エクスポージャー / 機能性消化器心身症 |
研究実績の概要 |
本研究は,代表的な消化器心身症である過敏性腸症候群(以下IBS)の患者を対象として,心理的ストレス状況下における携帯情報端末を用いたリアルタイムでのストレス認知や行動の修正を意図した認知行動療法の技法適用が,どの程度症状低減効果を有するのは,ということについて検討することを目的としている。 令和元年度は,改めて既存の研究動向を整備するとともに,ビデオプログラムの整備と携帯情報端末に組み込むアプリケーションの整備を引き続き行った。アプリケーションは,大きく心理教育,注意訓練法,ケースフォーミュレーション,認知的再体制化,内部感覚エクスポージャー,現実エクスポージャーから構成されている。特に,認知的再体制化については,既存のワークシートをそのまま用いるのではなく,4つの選択肢を提示し,問題形式で回答する中で,視覚的に考察できるようにした。このことにより,従来の方法よりもより対象者の主体性が高まるとともに,最終的にはセルフヘルプに近い形で運用できる可能性が高まった 。また,エクスポージャー中の不安の増減についても,リアルタイムでアプリケーションに記録できるという利点を活かし,指のみで記録できるようにした。ただし,各技法の中身も含め,治療効果を高めるために,インターフェースやアプリの構成にはもう少し改善が必要であると見込まれている。そのため,現状としてはアプリケーションをブラッシュアップするとともに,引き続き最新の文献研究も継続し,本課題に還元していくべく努めていくことが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ビデオプログラムおよび携帯情報端末内のアプリケーションの整備において,より妥当性や信頼性を高めるための精緻化に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き最新の文献研究を継続するとともに,ビデオプログラムやアプリケーションなどの介入材料を完成させ,介入のためのアセスメントツールを整備し,未患者に対するフィージビリティスタディを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
介入のために先行研究を踏まえて作成しているビデオプログラム,携帯情報端末用アプリケーションが,年度内に完成にまで至らず,研究の進行全体がやや遅れているため。使用計画としては,上記介入材料の購入と,解析用PC,携帯情報端末,人件費・謝金,その他進捗に向けて要する物品の調達,旅費等に使用する。
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