研究課題/領域番号 |
18K07484
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
小林 淳二 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60302577)
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研究分担者 |
中嶋 克行 女子栄養大学, 栄養科学研究所, 客員教授 (10444051)
多田 隼人 金沢大学, 附属病院, 助教 (90623653)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肝性リパーゼ / リポ蛋白リパーゼ |
研究実績の概要 |
本年度は研究テーマの主要部分である肝性リパーゼ測定系の改善に絞って研究を推進した。リポ蛋白リパーゼ(LPL)と肝臓リパーゼ(HTGL)はトリグリセリド(TG)代謝で中心的な役割を果たす。それら酵素の活性の定量は脂質異常症の診断には有用であるが、その定量のための自動化された方法はこれまでにない。ヘパリン静注後血漿(PHP)中のLPLおよびHTGL活性をアッセイするために自動速度論的比色法を用いた。基質として、天然長鎖脂肪酸2-ジグリセリドを用いた。 結果:LPLおよびHTGL活性アッセイの希釈試験についての検量線は、0.0から500U / Lの範囲であった。アッセイ内変動係数(Coefficient variation; CV)は5%の範囲内で得られた。正常対照で、ヘパリン投与後血漿中のLPL活性、HTGL活性はそれぞれ135から431 U / L、30から153 U / Lであった。したがって、今回の改良型ヘパリン後血漿HTGLアッセイは、従来の放射化学アッセイよりも便利で迅速であると結論づけられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タイトルである、“血清肝性リパーゼ測定法の臨床意義の確立とその臨床応用”であり、今回、血中の肝性リパーゼ測定系に新たに改良を加え、より臨床意義を確立するために一歩踏み出したといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は確立した測定系を用い、本研究のためのテーマを遂行するために患者血清中の肝性リパーゼ測定を推進していく。また、臨床研究遂行が困難な場合に備えて広い意味での肝性リパーゼ測定の意義を明らかにするためにHepG2などの肝性リパーゼを発現している培養細胞を用いどのような代謝制御因子がその変動の決定因子となるかを検討していくなど基礎研究からのアプローチを行うことも視野にいれている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、研究代表者の海外学会発表の必要経費として確保していた約18万円あまりが、科研費を使用して海外出張を行わなかったことがその理由である。次年度はこの余剰金を物品費にあてる計画である。
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