研究課題
新規タウトレーサーであるMK-6240の準備を行った。当初、タウは、THK-5351を使うことを予定していたが、THK-5351はMAO-Bへのoff-site bindingが顕著にあることが分かってきた。そのため、tau への特異的結合が優れているMK-6240を導入することにした。契約を終え、短寿命放射性薬剤臨床利用委員会での承認を得た。また、当研究では、アミロイドPETやタウPETの経時的な変化を評価する必要がある。アミロイドPETにおいては、白質を参照領域としたほうが、経時的な変化をよりよく反映するという研究がいくつか提唱されていた。当研究において、どのように参照領域を設定するべきか決定するためにシミュレーションを行った。その結果、白質ではなく小脳皮質を参照領域としたほうが安定性が良いことが分かった。今まで小脳皮質のほうが安定性が悪いとされたのは、小脳のほうがノイズが多いためと考えられ、小脳をPET撮像領域の端にして撮像しないなどの工夫が必要と分かった。アルツハイマー病を診断するための研究も行った。教師あり機械学習の一つであるdeep learningや、教師なし機械学習の一つであるssm/PCAを用いて、ADとレビー小体型認知症(DLB)の弁別を行った。DLBを診断する際に、人工知能がcingulate island signに注目していることも判明した。アルツハイマー病は、糖尿病がリスクファクターである。平均血糖とHbA1cと赤血球年齢の関係式を導き、非線形の関係であると導いた。
3: やや遅れている
臨床研究法の施行により、薬の新しい効能に関する研究は特定臨床研究として扱われることになった。具体的にどのような研究が特定臨床研究に相当するのか混乱もあり、認定倫理委員会への提出も多くの書類を要するため、研究に遅れが生じた。
引き続き、まずは、認定倫理委員会の承認を取るように努力を続ける。また、この研究を行う上で必要な画像診断の方法論、診断方法についての研究を続ける。
特定臨床研究のための審査費用を残していたが、次年度に持ち越しとなったため。次年度にはその予算を使用予定。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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