研究課題/領域番号 |
18K07496
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
下畑 享良 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60361911)
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研究分担者 |
金澤 雅人 新潟大学, 脳研究所, 講師 (80645101)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 低酸素低糖刺激 / ミクログリア / 末梢血単核球 |
研究実績の概要 |
本年度の計画は,脳出血モデルに対して,経動脈的に投与したOGDミクログリアは機能回復を早めるか?という課題であった.本研究の最終的な目標は,①低酸素低糖刺激(oxygen-glucose deprivation;OGD刺激)を行ったミクログリアが,ラット脳出血モデルにおいて血管新生や神経軸索伸長をもたらし,機能回復に有効であることを示し,非臨床試験を成功させること,そして②最終的にヒト脳出血周囲の血腫から神経内視鏡によりミクログリアを採取し,OGD刺激を行い,頸動脈的に投与してその有効性を確認することである.ミクログリアには2種類存在し,1)脳の内在性に存在するもの,2)末梢血単核球に含まれる単球が骨髄ないし脾臓から中枢神経に動員されるものに分類される.このため,ミクログリアの前段階である末梢血単核球に対してOGD刺激を行い, OGDミクログリアの効果を確認したラット脳虚血モデルに軽動脈的に投与し,その有効性を確認したところ,梗塞巣周囲に遊走し,また血管新生や神経軸索の伸長をもたらすことが明らかになった.臨床応用を考えるとOGDミクログリアよりOGD末梢血単核球の投与のほうが,利便性が高いことから,本年度の研究はOGDを行った末梢血単核球の性質に関する検討を行った.当初の想像を超える顕著な研究の進展を得ることができた.平成31年度はさらにOGD末梢血単核球の性質と治療効果に関する検討を続けたい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上述の通り,より臨床応用のしやすい末梢血単核球に対するOGD刺激の有効性を確認することができたため,臨床応用という最終目標を考慮すると,研究は大幅に進展したと言える.
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今後の研究の推進方策 |
低酸素低糖刺激末梢血単核球の性質と治療効果に関する検討を進め,特許出願を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初より大きな進展があったため、不要な実験が生じ、93,600円ほど残金が生じた。次年度に物品費として使用したい。
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