研究課題
これまでの研究において,ミクログリアに対して最適な条件で低酸素・低糖刺激(oxygen-glucose deprivation; OGD)刺激を行ったOGDミクログリア療法は,血管新生や神経細胞軸索の促進を介することにより,脳血管障害後の機能障害を改善する可能性がある(Sci Rep. 2017 Feb 14;7:42582; Int J Mol Sci. 2017 Oct 13;18(10):2135).まずミクログリアの前段階である末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells; PBMCs)に対してOGD刺激を行い,その声質の変化を検討した.この結果,OGD-PBMCは血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor; VEGF)やtransforming growth factor-β(TGF -β)といった血管リモデリング因子を分泌することをin vitroの実験系で明らかにした.一方,動物モデルにおいて7日目に経動脈的に投与したところ,脳実質に存在し,28日目の予後を改善することを明らかにした.しかもこの投与により,stage-specific embryonic antigen-3(SSEA3)陽性細胞を誘導できることをin vitroおよびin vivoにおいて,明らかにした.またOGD-PBMCsは血液脳関門の移行もOGD前と比較して促進されていた.さらにOGD-PBMCは血管新生と神経細胞の軸索進展を促進した.さらにヒトにおける臨床試験を目指して,OGDを臨床現場で行うためのOGD機器の開発を医療イノベーション推進センター(TRI)および関連企業とともに行い,この機器により刺激を行った細胞の治療有効性を評価し慣れている脳梗塞モデルにて確認した.
すべて 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Brain Nerve
巻: 72 ページ: 1097-1103
10.11477/mf.1416201655
Int J Mol Sci.
巻: 21 ページ: 6194
10.3390/ijms21176194.
J Neurol Sci.
巻: 419 ページ: 117217
10.1016/j.jns.2020.117217
http://www.med.gifu-u.ac.jp/neurology/research/tr.html