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2018 年度 実施状況報告書

球脊髄性筋萎縮症に対する骨格筋トランスポーターを標的とした治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K07497
研究機関名古屋大学

研究代表者

土方 靖浩  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90804724)

研究分担者 橋詰 淳  名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (00637689)
勝野 雅央  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード球脊髄性筋萎縮症 / 骨格筋クレアチン / クレアチントランスポーター
研究実績の概要

本研究の目的は、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)患者の、骨格筋内クレアチン取り込み障害を促進することによる病態改善をめざした新規治療法開発である。変異AR蛋白質がクレアチントランスポーターSLC6A8遺伝子の転写を障害し、骨格筋クレアチン取り込みを障害しているという研究結果に基づき、SLC6A8蛋白質発現上昇に寄与する化合物を、化合物ライブラリを用いたスクリーニングにより探索し、患者fibroblastおよびiPSから誘導した骨格筋細胞を用いて検証を行い、治療薬候補となる化合物を同定、モデル動物を用いた前臨床試験を施行するものである。
平成30年度では、クレアチントランスポーターSLC6A8を標的とした既存薬スクリーニングを行い、SLC6A8の転写活性および蛋白質発現を上昇させるヒット化合物を同定した。はじめに、pNL2.2(NlucP/Hygro) vectorにSLC6A8のプロモーターを挿入し、マウス骨格筋細胞株であるC2C12およびSBMA細胞モデルに導入、SLC6A8プロモーター安定発現株を作成した。そして、2%馬血清を用いて分化させたこれらの細胞株に化合物ライブラリを作用させた。化合物ライブラリについては、名古屋大学創薬科学研究科より提供を受けた35種類の化合物、第一三共株式会社のTaNeDSプログラムより供与を受けた48種類の化合物(うち3化合物がDMSO)を用いた。SLC6A8のプロモーター活性を上昇させるような化合物をNano-Glo Luciferase assay systemを用いて、1nMから100μMの濃度でルシフェラーゼアッセイを行った。さらにSBMA細胞モデルに対して化合物を投与し細胞活性の測定(WSTアッセイ)を行った。ルシフェラーゼ活性が高値であった化合物を用いてRT-PCRで検証を行い、5化合物に注目した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の計画では、平成30年度にはクレアチントランスポーターSLC6A8を標的とした化合物スクリーニングを行い、SLC6A8転写活性およびタンパク質発現を上昇させる化合物を同定する予定としていた。
平成30年度は、名古屋大学創薬科学研究科および第一三共株式会社(TaNeDSプログラム)より提供をうけた計80種類の化合物ライブラリを用いてクレアチントランスポーターSLC6A8を標的としたスクリーニング(ルシフェラーゼアッセイ、WSTアッセイ)を実施し、候補となる化合物についてのRT-PCRによる転写活性の検証まで実施し、5化合物を同定した。申請時の計画にそって概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

平成31年度以降は、申請時の予定に従って、臨床開発への展開を目的として、研究代表者らが開発・維持している変異ARトランス ジェニックマウス(AR-97Q)を用い、発症前(5-6週齢)、発症後早期(9-10週齢)および進行期(1516週齢)のそれぞれに対し、同定されたHit化合物を投与し、運動解析およびクレアチン代謝関連分子の解析等を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度に予定していた試薬、実験動物が、4月以降の納品となったため残額が生じることになったが、令和元年度に使用予定の試薬、実験動物、解析用のパソコンに充当する。

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公開日: 2019-12-27  

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