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2019 年度 実施状況報告書

オートファジー・酸化ストレスの観点からのp62ーALS変異の疾患発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K07505
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

渡邊 義久  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363990)

研究分担者 徳田 隆彦  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80242692) [辞退]
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード神経変性疾患 / ALS / p62 / オートファジー / 酸化ストレス応答
研究実績の概要

ALSモデル細胞におけるp62の動態を観察するためにTDP-43_WTとA315T変異発現細胞を作製した。亜ヒ酸による酸化ストレス負荷によりTDP-43_A315T変異体は凝集体を形成した。これは内在性の野生型p62を発現する細胞での結果である。今後、この細胞でp62のALS変異体を発現する細胞で野生型TDP-43の凝集体形成を解析することにより、p62とALS発症機序を明らかにする必要がある。
これまでALS変異p62の細胞内での挙動はp62のN末端抗体でしか確認できていなかった。最近発売されたC末端側の抗体を入手したので、切断後のC末端断片の挙動も解析した。ウエスタンブロットの結果、酸化ストレスによって切断を受けたp62のC末端断片を検出した。また、免疫染色ではp62 C末端断片は細胞内に一様に分布していた。
次に、オートファジーを利用した神経変性疾患の新たな治療法を開発するために、p62のLC3結合ドメインとユビキチン結合ドメインから構成された組換え遺伝子を作製した。この遺伝子から発現するペプチドは神経変性疾患の発症に関与する異常タンパク質凝集体を拿捕し、オートファゴソームへ運搬する。この遺伝子をHEK293細胞へ導入したところ、細胞内で形成した異常タンパク質凝集体は減少していた。今後、TDP-43凝集体のクリアランスを効果的に行える解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ALS変異p62を切断するプロテアーゼの同定のためにMACタグ付きのp62安定発現細胞を作製し確認作業をおこなっているが、野生型p62発現細胞の作製が計画通りに進んでいない。

今後の研究の推進方策

BioIDによるp62切断プロテアーゼの同定を行う。そのために昨年度構築した細胞を用い、BioID用のALS変異p62が酸化ストレス下で切断を受けるか確認を行う。確認ができたら、ビオチンによる標識を行い、質量分析でプロテアーゼの同定を行う。初代神経細胞にそして、神経変性疾患の治療薬の新規スクリーニング方法の開発を行う。恒常的にオートファジーを活性化する薬剤をスクリーニングするために、オートファジー抑制因子Rubiconの阻害剤のレポータースクリーニングを開発する予定である。

次年度使用額が生じた理由

プロテアーゼ同定のために質量分析の受託を行う予定であったが、COVID-19パンデミックの影響で受託解析が停止したため。解析が開始したら質量分析を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] α-Synuclein Promotes Maturation of Immature Juxtaglomerular Neurons in the Mouse Olfactory Bulb2019

    • 著者名/発表者名
      Taguchi Katsutoshi、Watanabe Yoshihisa、Tsujimura Atsushi、Tanaka Masaki
    • 雑誌名

      Molecular Neurobiology

      巻: 57 ページ: 1291~1304

    • DOI

      10.1007/s12035-019-01814-3

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 一過性脳虚血モデルを用いた嗅球傍糸球体細胞に高発現するパーキンソン病関連分子α-シヌクレインの機能解析2020

    • 著者名/発表者名
      田口勝敏, 渡邊義久, 辻村敦, 田中雅樹
    • 学会等名
      第125回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [学会発表] α-Synuclein promotes maturation of immature juxtaglomerular neurons in the mouse olfactory bulb2019

    • 著者名/発表者名
      Taguchi, K., Watanabe, Y., Tsujimura, A., Tanaka, M
    • 学会等名
      第42回日本神経科学大会
  • [学会発表] 虚血モデルを用いた嗅球傍糸体細胞に高発現するパーキンソン病関連分子α―シヌクレインの機能解析2019

    • 著者名/発表者名
      田口勝敏、渡邊義久、辻村敦、田中雅樹
    • 学会等名
      第60回日本組織細胞化学会総会
  • [学会発表] 脳虚血モデルを用いた嗅球傍糸球体細胞に高発現するパーキンソン病関連分子α-シヌクレインの機能解析2019

    • 著者名/発表者名
      田口勝敏, 渡邊義久, 辻村敦, 田中雅樹
    • 学会等名
      第9回4大学連携研究フォーラム

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公開日: 2021-01-27  

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