研究課題/領域番号 |
18K07506
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
笠井 高士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70516062)
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研究分担者 |
山口 政光 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (00182460) [辞退]
中雄 裕美子 (東裕美子) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00453093)
徳田 隆彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80242692)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Pgk / パーキンソン病 |
研究実績の概要 |
本課題における申請者の目標は『ショウジョウバエモデルを用いてPGKのloss of function変異がドパミン神経機能低下をもたらすこと検証する』こと、『モデルを用いた病態解明と治療薬開発を行うこと』の2点である。平成30年度までの研究期間において、PGK1のショウジョウバエにおけるorthologであるPgkに対しPgk knock down系統を2系統において、いずれの系統においてもPgk蛋白発現量の減少をWestern blot法によって確認した。さらにこれらの系統と既に確立されている全身GAL4発現系統(Act5c-GAL4)、複眼特異的GAL4発現系統(GMR-GAL4)、全神経系GAL4発現系統(elav-GAL4)、ドパミン細胞特異的GAL4発現系統(TH-GAL4)を交配させ各細胞特異的Pgk loss of functionモデルを構築した。全身発現系統、複眼特異的発現系統、全神経発現系統、ドパミン細胞特異的発現系統における表現型を確認し、全身発現系は蛹致死であること、複眼特異発現系において複眼形態の粗造化が生じること、ドパミン神経特異的発現系において幼虫・成虫の運動能力が低下し、サーカディアンリズムに変化を生じることを確認した令和2年度研究期間において、PGK KO系統においてドパミン含有量が減少すること、PGK1のショウジョウバエにおけるorthologであるPgkに対しPgk knock down系統においてドパミン神経障害が生じる原因としてROS活性化とATP産生減少が関与していることを明らかにした。本研究は今後PGK活性亢進を介した治療薬開発に進む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル構築までは問題なく進んでいる。最終年度の治療薬スクリーニングについては化合物ライブラリーが必要である。現在協力できる共同研究先を模索しているが手続き面で若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
PGK活性亢進をもたらす薬剤をスクリーニングする予定。すでにスクリーニング手法を全身ノックダウン系統における蛹致死表現型を用いることまでは確定している。化合物ライブラリーからの供与が得られれば実験を開始する。懸念事項として2020年3月から新型コロナウイルスの流行が深刻化し4月以降実験が再開できない状態になっていることがあげられる。緊急事態宣言が解除された段階から本年度のプランを開始する
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行に伴い3月の研究が実質不可能になったため残額が生じた 4月以降の消耗品として使用する予定
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