| 研究課題/領域番号 |
18K07512
|
|---|
| 研究機関 | 帝京大学 |
|---|
研究代表者 |
咲間 妙子 (笹井妙子) 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (70419026)
|
|---|
| 研究分担者 |
竹内 暢 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (80360296)
井上 雄一 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (50213179)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
| キーワード | レム睡眠行動障害 / αシヌクレイノパチー / 認知機能 / 嗅覚機能 / community-based RBD / idiopathic RBD |
|---|
| 研究実績の概要 |
新潟県湯沢町に居住する一般高齢者2714名を対象としたレム睡眠行動障害の疫学調査を実施し、その転帰を追っている。同調査において有効回答が得られた1464名のうち計18名が特発性レム睡眠行動障害と診断された（有病率は1.23 [0.66-1.79]%）。うち、8名は診断カットオフ値を上回るREM sleep without atonia (RWA) を呈した (有病率は0.54 [0.17-0.92]%) 。また、残り10名のRWA値は診断カットオフ値以下であり、provisionally diagnosed iRBDと診断された（有病率は0.69 [0.26-1.11]%）。また、臨床例においては8割以上が男性
であるが、community-based iRBDにおいては、有病率の男女比は2:1であり、臨床例よりも男性優位性が低かったことから、女性例が一般高齢者に潜在している可能性が考えられた。
当該年度における検討により、community-based iRBDの臨床症状やRWA値は、臨床iRBD例と差はなく、半数が起立性低血圧や嗅覚減退を示していた。community-based iRBDのαシヌクレイノパチー関連検査所見は、罹病期間に差がないにも関わらず、臨床iRBD例に比して高く保たれていた。さらに、provisionally diagnosed RBDは罹病期間が長いにも拘わらずαシヌクレイノパチー関連検査所見が非常に良好である者が散見された。このことから、community-based RBDならびにprovisionally diagnosed RBDの特性が明らかになり、αシヌクレイノパチーへの進展が遅い良性すなわち低リスクのRBDが存在するのではないかと考えられ、臨床RBD群との進展スピードの比較を行っている。この研究成果は、日本精神神経学会において公表した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
community-based RBDについてはCOVID19による対面検査、入院検査の中断があったが、臨床RBD例の縦断調査は継続的に実施している。
|
| 今後の研究の推進方策 |
community-based RBDについて、初回から4年後の各種αシヌクレイノパチー関連検査を実施する。現在取得している臨床RBD例の進展スピードと比較し、どのような特徴を持つ者がslow progressionであり低リスクといえるのかを明らかにする。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
COVID19によるcommunity-based RBD患者の入院検査の中断による。最終年度にフォローアップ検査を実施するため、その検査機器、備品、被検者謝金に充当する。
|
