研究課題/領域番号 |
18K07526
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
清水 文崇 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90535254)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自己免疫性神経疾患 / 血液脳関門 / GRP78抗体 / 視神経脊髄炎 / 傍腫瘍性小脳変性症 |
研究成果の概要 |
自己免疫性神経疾患患者検体から血液脳関門(BBB)を破綻させる新規自己抗体の同定を試み,glucose-regulated protein (GRP) 78抗体が重要な役割を果たすことが明らかとなった.本研究により,①視神経脊髄炎では,長大な脊髄病変をもつ病型でBBB破綻が強くみられ,GRP78抗体が高率に陽性となり,GRP78抗体陽性例で症状がより重症となること,②傍腫瘍性小脳変性症を合併したランバート・イートン筋無力症でGRP78抗体が陽性となり,BBB破綻に関与することが明らかとなり,血液脳関門破綻をきたす新規自己抗体としてGRP78抗体の役割が明確となった.
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自由記述の分野 |
臨床神経学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
傍腫瘍性小脳変性症を合併したランバート・イートン筋無力症の発症機序が明らかとなった.GRP78は癌細胞とBBB構成内皮細胞の細胞表面に多く発現しており,細胞表面に発現するGRP78はNF-κBシグナル活性に関与する.さらに,担癌患者では血中にGRP78抗体が検出されることが報告されている.傍腫瘍性小脳変性症を合併したランバート・イートン筋無力症発症の病態機序として,GRP78とP/Q型VGCCは癌細胞表面に発現しており,腫瘍との交差免疫により産生されたGRP78抗体によるBBB破綻が,同じ機序より産生されたP/Q型VGCC抗体の脳内流入を促進し小脳機能障害を惹起する可能性が考えられた.
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