筋ジストロフィーは、遺伝子変異により、慢性の経過で筋萎縮が進行する難病である。一方、超高齢化社会を迎えたわが国では,加齢等に伴う筋萎縮(サルコペニア)はADL低下の主因である。筋ジストロフィーおよび高齢者の骨格筋では、共通してタイプII筋線維優位の萎縮を認めることから、ジストロフィー筋と加齢性筋萎縮に共通する分子病態が存在すると考えられた。この仮説を実証するため、DMDモデルマウスのジストロフィー筋を対象に、超高感度定量質量分析を実施し、タンパク質間相互作用のインタラクトミクス成果を報告し、DMDおよび加齢に伴う筋萎縮に共通する代謝、炎症、筋肉成長経路間のクロストークを明らかにした。
|