研究課題
本研究では、視線測定装置(Gazefinder)を用いて、注視、追視、切替課題における視機能を測定し、DCDを判別可能な映像課題及び視機能を検証して、早期発見、早期介入に役立てることを目的とする。①発達性協調運動障害(DCD)児を判別できる視機能の検証:弘前市に在住する5歳児(満5歳児)2018年度1189名、2019年度1265名にDCDQ、SDQを郵送し、2018年度1106名(84.6%)、2019年度1088名(86.0%)から返信が得られた。カットオフ値を超えた子どもをDCD疑いとし、2018年度115名、2019年度123名にMABC-2、JMAP、WISC-Ⅳ及びSP感覚プロファイルによる運動、認知及び感覚機能評価を行った。必要に応じてVineland-2、自閉症スペクトラム障害(ASD)の構造化面接ADOS-2またはADI-R、注意欠如・多動性障害(ADHD)の評価Conners-3を用いてDSM-5基準でDCDの診断を行った。238名全員にGazefinderによる注視点測定を行った。②2017年に測定した65名分と2018年に測定した51名分の旧映像の判別能を検証した。IQ70未満およびASD、併存障害のある発達障害児を除外基準とし、定型発達児39名、併存障害のないADHD児14名、併存障害のないDCD児23名を解析対象とした。使用したパラメーターは注視、追視、切替のすべての課題とした。すべてのパラメータが協調運動機能と相関があった。特に追視課題において、速度が速くなると、DCDでは優位に追視速度が遅くなり、特に上下の眼球運動の課題において遅れが顕著であった。③旧映像について、子どもたちの感想や解析結果を加味し、新映像を作成し、2019年秋の健診で60名に予備測定を行った。今後も測定を続け本格的な完成を目指す。
2: おおむね順調に進展している
2019年度の測定は順調に進んでいるが、COVID-19の影響により、機材が購入できないため今後の解析が遅れる可能性がある。
COVID-19の影響により乳幼児健診が縮小されたため、旧映像の検証はできなくなった。しかし、新映像での測定は予定通り行われることになっており、引き続きデータを収集して解析を行っていく。
年度の後半においてCOVID-19の影響により、解析に用いるPC等の物品の購入が困難になったことにより、2019年度内に必要経費を精算できなかった。このため、支払いを2020年度に繰り越した。
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