• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 研究成果報告書

統合失調症の白質におけるグルタミン酸伝達ーD-セリン系病態の解明と治療法開発

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 18K07548
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関昭和大学

研究代表者

西川 徹  昭和大学, 医学部, 客員教授 (00198441)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードD-セリン / 白質 / 灰白質 / 大脳皮質 / ニューロン / グリア / 免疫組織化学 / in vivoダイアリシス
研究成果の概要

マウス前頭前野の白質では、組織中および細胞外液中のD-セリン濃度は、灰白質とほぼ等しかった。主にオリゴデンドログリア(ODG)を破壊するクプリゾンを投与したマウスでは前頭前野の白質および灰白質のD-セリンが有意に減少し、神経細胞体を破壊するキノリン酸を局所注入した前頭前野の灰白質においてD-セリンが著明に減少した。免疫組織化学的解析から、白質のODGにD-セリンが存在することが示唆された。以上の結果より、D-セリンは白質では束間ODG優位に、灰白質ではニューロンおよび傍神経ODGに局在する可能性が示唆され、統合失調症で推測されているD-セリンとODGの機能障害との関係が注目される。

自由記述の分野

精神神経科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

D-セリンは、NMDA受容体の内在性のコアゴニストであり、同受容体の低活性が推測される統合失調症における異常が注目されている。本研究では、D-セリンが、グリア優位の白質でニューロン優位の灰白質と同程度の組織中・細胞外液中の濃度を維持し、オリゴデンドログリア(ODG)に含まれることを見出した。また、灰白質ではニューロンに多く局在するだけでなく、傍神経ODGにも存在する可能性が示唆された。これら新知見は、D-セリンシグナルの分子細胞機構とその病態の解明の手がかりになるとともに、D-セリンを調節する統合失調症の難治性症状に対する新規治療法開発に繋がる、重要な学術的・社会的意義をもつと考えられる。

URL: 

公開日: 2023-01-30   更新日: 2024-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi