研究課題/領域番号 |
18K07555
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
梁瀬 まや 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (30760780)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 摂食障害 / 窃盗 / 万引き / 精神鑑定 / 矯正施設 / 多国間比較 / 司法精神医学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、摂食障害患者にみられる窃盗行為について、文献的調査や国内外の視察をはじめとした実地調査に基づき、多国間比較の視点を加味して理解を深めながら、質問紙及び半構造化面接による質的・量的調査でその心理社会的背景を明らかにし、司法精神医学的評価や処遇について考察・検討することにある。2020年度は、これまでの文献的調査や実地調査を踏まえ、2020年11月、第16回日本司法精神医学会大会において「オランダにおける司法患者の施設内処遇と長期化の問題に対する法改正の動き」と題して研究協力者(香川大学法学部・平野美紀氏)とともに発表を行なった。その他、2020年度は、新型コロナウイルスの蔓延下にあって、視察や実地調査は困難を強いられたが、和歌山刑務所における調査研究については職員と議論を継続したほか、米国司法精神医学者等の助力を得て、米国司法精神医療における触法精神障害者や摂食障害患者の処遇に関して情報を収集し、意見交換を行なった。これにより、精神鑑定から公判、処遇にわたる過程について、多国間比較の視点からも考察を深めることができた。これらの成果の一端は、論文化している。 2021年度は、コロナ禍における実地調査を関係者と共に模索しながら、学術研究会参加や文献的考察に加え、研究協力者等とのオンラインによる意見交換を含めた情報収集を継続し、グローバルな視点も踏まえ、処遇・制度について検証・考察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延下にあって、国内外のフィールドワークには困難があり、計画は予定より遅れている。ただし、行動制限はあるものの、オンライン等を活用しながら同テーマに関する情報収集や協議を継続し、可能な範囲でデータ収集や解析、文献的考察によって研究を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の成果の一端を論文化する。2021年度はコロナ禍における刑務所調査の実現に向けて関係者と協議を継続しつつ、研究協力者らと学際的議論を深めながら、研究を発展的に推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延下にあって、研究計画の遂行は困難を強いられた。計画の遅れに伴い、予定していた経費を今年度は要さず、データ解析に使用する物品等の購入等も次年度以降に見送った。今後は研究実施計画を実現可能なスケジュールで組み直し、使用する。
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