研究実績の概要 |
【本研究の概要】 まず健常者においてfMRIニューロフィードバック法を行い、制御可能性および安全性の確認を行う。研究の説明・同意が得られた後、無作為に標的脳領域またはシャム領域にそれぞれ割り付ける。評価項目は行動指標としての認知・注意課題の成績変化や、反芻に関する化、後部帯状皮質を含めた脳内ネットワークの活動変化について確認する。健常者においてfMRIニューロフィードバック法を確立した後、慢性疼痛患者に対して施行する。fMRIニューロフィードバック法施行による認知・注意課題の成績や疼痛症状、反芻、不安・抑うつ、脳内ネットワークの活動変化を確認し、fMRIニューロフィードバック法による効果を検証する。 【実績の概要】 fMRIニューロフィードバック法の確立に携わり(Takamura et al., 2020)、またfMRIニューロフィードバックの効果を事前に予測することができる脳内ネットワークを明らかにした(Nakano et al., 2021)。 同時にニューロフィードバックに関連する慢性疼痛の治療効果因子について調査を行った(Jensen et al., 2021)(Yoshino et al., 2020, 2021)。脳機能の結果では、慢性疼痛における注意機能に関連する役割として島皮質の重要性が明らかとなった。それらの結果により、慢性疼痛への後部帯状皮質を標的脳領域とするニューロフィードバックの是非については、さらなる詳細な解析が必要となり、今後の検討課題となった。
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