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2018 年度 実施状況報告書

双極I型障害とII型障害の違いに着眼した、画像所見や薬物反応性の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K07568
研究機関大分大学

研究代表者

寺尾 岳  大分大学, 医学部, 教授 (80217413)

研究分担者 塩月 一平  大分大学, 医学部, 講師 (00444886)
石井 啓義  大分大学, 医学部, 准教授 (00555063)
秦野 浩司  大分大学, 医学部, 講師 (30516092)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード双極Ⅰ型障害 / 双極Ⅱ型障害 / リチウム / ラモトリギン / n-back test
研究実績の概要

まず、双極性の薬物療法に関してガイドラインや関連文献を精査して、現状を明らかにした。その結果、リチウムは躁病エピソードの予防が得意であり、ラモトリギンはうつ病エピソードの予防が得意であること、さらに双極性障害の亜型に関して、双極I型障害が躁病エピソードの予防を重要とし双極II型障害がうつ病エピソードの予防を重要とすることをから、双極I型障害の治療にリチウム、双極II型障害の治療にラモトリギンを使用することが合理的である事が示唆された。

次に、双極Ⅰ型障害6名とⅡ型障害9名におけるn-back課題中の脳活動の比較を行った。双極Ⅰ型障害と双極Ⅱ型障害の患者背景は、それぞれ平均年齢が45歳と42歳、性比(男性:女性)が3:3と1:8,平均罹病期間が17年と13年、平均ハミルトンの抑うつ状態評価得点が7点と8点、平均ヤング躁状態評価得点が1点と1点と、性比を除いて差はなかった。
n-back課題の平均正答率は、双極Ⅰ型障害と双極Ⅱ型障害でそれぞれ0-backで70%と82%, 1-backで59%と71%、2-backで46%と51%、3-backで38%と51%とやや双極Ⅰ型障害が劣るように見えるが、統計学的にはすべて有意差はなかった。n-back課題中のfMRIにおける脳の賦活については、双極Ⅱ型ー双極Ⅰ型でleft insulaにおいて3 back課題の遂行中に賦活の有意差傾向(p=0.061)が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、双極I型障害と双極II型障害の違い、具体的には機能画像(fMRI, FDG-PET)や形態画像(MRI)を用いて病態生理の違いを検討し、さらに薬物反応性の比較をリチウムやカルバマゼピン、抗うつ薬や非定型精神病薬などにおいて行う。これまで進めてきた気質研究の成果も踏まえ、画像所見や薬物反応性を従属変数として、双極性障害の亜型すなわちI型かII型かの主効果と、発揚気質や循環気質など気質得点の高低の主効果、そして両者の交互作用を独立変数として、重回帰分析にかけることである。

このうち、fMRIの所見を提示したが、FDG-PETに関しても症例を蓄積している。また、薬物療法に関しては、当科におけるデータベースの構築を進めているところである。

今後の研究の推進方策

これまでと同様に研究を進める。すなわち、機能画像(fMRI, FDG-PET)や形態画像(MRI)を用いて病態生理の違いを検討し、さらに薬物反応性の比較をリチウムやカルバマゼピン、抗うつ薬や非定型精神病薬などにおいて行う。画像所見や薬物反応性を従属変数として、双極性障害の亜型すなわちI型かII型かの主効果と、発揚気質や循環気質など気質得点の高低の主効果、そして両者の交互作用を独立変数として、重回帰分析にかけることである。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は費用のあまりかからないfMRIを優先させたので使用額が少なかった。
今年度はFDG-PETの被験者を増やす計画なので、高額なPET撮像費用が増える予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 日本うつ病学会の双極性障害ガイドラインの使い方2018

    • 著者名/発表者名
      寺尾 岳
    • 雑誌名

      臨床精神医学

      巻: 47増刊号 ページ: 58-63

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公開日: 2019-12-27  

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