研究課題/領域番号 |
18K07568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
寺尾 岳 大分大学, 医学部, 教授 (80217413)
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研究分担者 |
塩月 一平 大分大学, 医学部, 客員研究員 (00444886)
石井 啓義 大分大学, 医学部, 准教授 (00555063)
秦野 浩司 大分大学, 医学部, 講師 (30516092)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 双極Ⅰ型障害 / 双極Ⅱ型障害 / 双極スペクトラム障害 / 生存曲線 / 気分安定薬 / 抗うつ薬 / 抗精神病薬 / ベンゾジアゼピン |
研究成果の概要 |
双極性障害の亜型や薬物反応性の経過に及ぼす影響を、退院時から再入院などのイベント発生までの観察期間を指標に検討した。診断や気分安定薬はいずれも経過と有意な相関を示さず、抗うつ薬、抗精神病薬、ベンゾジアゼピンが経過と有意な相関を示した。このことはやはり、抗うつ薬が気分を上げる効果、抗精神病薬が気分を下げる効果しか持たないこと、そのために気分安定化には至らないことを示唆しているのかもしれない。しかし、個別の薬剤についての検討が必要であろう。ベンゾジアゼピンに関しては、依存性など種々の副作用が問題にされているが、双極性障害の経過にも悪影響を及ぼすために、その使用にはさらに慎重になる必要がある。
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自由記述の分野 |
双極性障害
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、双極性障害の亜型や気分安定薬の効果を適切に評価できなかったのは、指標が頑健でありながら精緻さに欠けていたためであったと考えられる。しかし、双極性障害の経過に対する抗うつ薬、抗精神病薬、ベンゾジアゼピンの悪影響を捕捉することができたことは、双極性障害患者において、これらの薬剤の使用が減ることで、双極性障害の経過が安定する方向(再入院が回避できる方向)に薬物療法が再構築されるという学術的意義が考えられる。特に、ベンゾジアゼピンに関してはいまだに依存性の問題が解決できておらず、特に双極性障害の患者においてベンゾジアゼピンを漸減・中止する契機の一つになれば社会的意義もある。
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