研究課題/領域番号 |
18K07574
|
研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
長野 貴之 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (10368516)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ミクログリア / プロスタグランジンE2 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病患者の脳内においてはprostaglandin E2 (PGE2)が増加していること、またアルツハイマー病モデルマウスにおいてPGE2の合成に関する酵素の発現量の増加が報告されている。そこで、2018年度は、PGE2による培養ミクログリアのPGE2合成に関するタンパクの発現量に対しての影響の検討を行った。その結果、PGE2は培養ミクログリアのPGE2合成に関するタンパクのうちCOX-2の発現量を増加させた。PGE2は、その他のPGE2合成に関するタンパクであるCOX-1、mPGES-1、mPGES-2、cPGESの発現量には影響を与えなかった。よって、PGE2は培養ミクログリアのPGE2合成に関するタンパクのうちCOX-2のみの発現量を増加させることが示唆された。2019年度は、このPGE2の作用機序を明らかとするために、PGE2の受容体のアゴニストとアンタゴニストを用いてCOX-2のmRNA発現量についてRT-qPCR法により検討を行った。その結果、EP2受容体作動薬が培養ミクログリアのCOX-2のmRNA発現量を増加させ、EP2受容体拮抗薬がPGE2によるCOX-2のmRNA発現量の増加を抑制した。よって、EP2受容体がPGE2によるCOX-2の発現量の増加に関与していることが示唆された。2020年度は、以上の結果を踏まえて、PGE2の受容体のアゴニストとアンタゴニストを用いCOX-2のタンパクの発現量についてウエスタンブロット法により検討を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症のため、研究を進めることが難しかった。よって、2020年度の研究実績はほとんど得られていない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、新型コロナウイルス感染症のため、大学への入校禁止、本研究以外でのエフォートである講義の日程の数回の変更、薬品入荷の遅れ等で、予定通りに研究を進めることが難しかった。
|
今後の研究の推進方策 |
補助事業期間延長が承認されたので、2020年度に実施する予定であった内容を、2021年度に実施するつもりである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症のため、研究をほとんど進めることができなかった。そのため、科研費の使用もできなかった。
|