Munc18-1タンパク質(遺伝子STXBP1)は神経シナプスに局在し、神経伝達物質放出に必須の分子であり、STXBP1遺伝子変異はてんかんや神経発達障害において広く報告されている。これら疾患に攻撃性の亢進が伴うことも多いが、申請者はStxbp1欠損モデルマウスにてんかん、記憶障害、攻撃性の亢進を見出した。このマウスを用いた本研究において、大脳皮質から線条体への興奮性シナプス伝達低下がてんかんを誘発するという新規の病態生理機構が明らかとなった。てんかんと攻撃性など種々の精神症状との関連も指摘され、てんかんを誘発する神経回路と攻撃性等との関係を追究することで研究の展開に寄与すると考えられる。
|