研究課題/領域番号 |
18K07579
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
宮下 光弘 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主席研究員 (60532132)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 終末糖化産物 / 統合失調症 / カルボニルストレス / 初発未服薬 / 縦断追跡 / ビタミンB6 |
研究実績の概要 |
東京都立松沢病院の宮野康寛医師(常勤)の協力を得て、同院の初診・救急外来受診患者のカルテ調査を定期的に実施し、First episode psychosis(FEP)に該当する患者を積極的に特定した。主治医の承諾が得られ、なおかつ対象患者にアプローチができる場合には、書面にてICを得たうえで検体収集を実施した。本年度は、諸般の事情により検体収集が困難な状況下に置かれたため、総計14名のFEPデータを蓄積するにとどまった。最終的に、統合失調症群、FEP群、健常者群での検体数は、62名、14名、31名でとなった。各群間における背景項目を検討した結果、年齢でFEP群で有意に低い傾向を認めた以外は、Body mass index、Hemoglobin A1c、estimated glemerular filtration rate、Glyoxalase 1 enzymatic activityのいずれにおいても有意な群間差は認められなかった。年齢終末糖化産物(Advanced glycation end products; AGEs)は血液およびFingertip(指尖; AGEsセンサ)を使用して計測を実施した。代表的なAGEsであるペントシジンの血漿濃度はFEPと健常者では有意な差はなかった。一方、fingertip AGEsは、昨年度から引き続き、健常者と比較してFEPで有意な上昇を認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言等による措置のため、ヒトを対象とした検体収集等の行為が大幅に制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究の完遂のためには検体収集が必須であるが、ヒトを対象にした研究である以上、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等による措置の影響を受けることは避けられない。従って、緊急事態宣言等が発令されていない期間に集中的にアプロ―チする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言等の措置により、検体収集が大幅に制限されたことに伴い、処理、測定、データ解析にかかる諸費用が抑制されたため。適切な時期に検体収集が進めば、当初の計画通りに予算を執行できるものと考えている。
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