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2020 年度 実施状況報告書

概日リズム睡眠覚醒障害の遺伝要因とその発症分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 18K07580
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

肥田 昌子  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部, 客員研究員 (20333354)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード概日リズム / 睡眠 / 次世代シーケンス
研究実績の概要

概日リズム睡眠-覚醒障害は、望ましい時間帯に入眠して覚醒することが困難となる疾患で、生物時計システムの入力・時計本体・出力に関連する何らかの機能障害によって生じると考えられている。概日リズム睡眠-覚醒障害にはいくつかのサブタイプが存在するが、その一つである非24時間睡眠-覚醒リズム障害は、入眠・覚醒時刻が毎日30分から1時間ずつ遅れ続けることが特徴で、通常の24時間リズムに同調することができない。このような睡眠-覚醒パターンは視覚障害者の一部で認められるが、一般集団では非常に稀である。定まった時刻に寝起きすることができないため昼夜の生活が逆転してしまう期間が生じ、社会生活への適応は著しく困難になる。その発症メカニズムは、内因性の生物時計周期が延長していること、また光同調機能不全が関わっていることが指摘されているが、発症分子メカニズムは未だ明らかにされていない。本研究では、非24時間睡眠-覚醒リズム障害17人を対象に、76個の概日・睡眠関連遺伝子について次世代シーケンシングによる配列解析を行った。その結果、17人で合計1,133,292のバリアントが検出された。遺伝子間、イントロン、ノンコーディングRNAに存在するものを除外すると1,954バリアントになり、著しく精度が低いものを除くと、1,214バリアントにまで絞り込まれた。このうち新規バリアントは47、既知バリアントは1,167であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

公開データベースに登録されていない新規バリアントについて検証が完了していない。

今後の研究の推進方策

新規バリアントの検証を行い、有望なバリアントが同定された場合は、そのバリアントが時計遺伝子発現リズムに影響を与えるか培養細胞系などで検証する。さらに、全遺伝子のエクソンを対象とするエクソーム解析を行い、非24時間睡眠-覚醒リズム障害の新たな遺伝要因の同定に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染症対策のため、実験や解析の実施が難しくなった。次年度には、検出されたバリアントの検証や機能解析、また全遺伝子のエクソンを対象とするエクソーム解析を行う。さらに、今までに得られた研究成果を学会や学術雑誌へ発表する。

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公開日: 2021-12-27  

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