研究課題/領域番号 |
18K07581
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研究機関 | 公益財団法人神経研究所 |
研究代表者 |
井上 雄一 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (50213179)
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研究分担者 |
駒田 陽子 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (40451380)
岡島 義 東京家政大学, 人文学部, 期限付准教授 (50509867)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | BRIANスケール / social jet lag / 睡眠覚醒相後退障害 / 日中眠気 / presenteeism |
研究実績の概要 |
本年度は睡眠相後退障害(DSWPD)の重症度評価スケール(BRIAN)の妥当性検討、ならびに病的水準のカットオフ作成を目指した。50例のDSWPD患者群を対象とした妥当性評価では、クロンバッハαは良好な水準で、併存妥当性(CGIならびにQOL尺度、朝型夜型スケールを対照とした)、構造妥当性(一因子構造)も問題なかった。現在は、健常者80例でのデータを取得、ROC curve解析にて、病的水準のカットオフを作成中である。さらには次年度での反応性(responsiveness)解析のため、現在DSWPD治療後のBRIANスケールデータを蓄積中である。 また、社会的時差ボケ(SJL)の実態を調べるための若年成人対象のweb調査を実施し、SJLと睡眠負債水準(個人の希望する睡眠時間と実睡眠時間の差異)の日中機能に対する影響を検討した。結果、週日の睡眠負債が2時間以上の場合には、SJLの水準が日中の自覚的な眠気水準(Epworth眠気尺度得点)、生活の質(SF8のphysical、mental成分)の悪化、抑うつ得点の上昇、presenteeism、absenteeism得点に悪影響を与えることがわかった。一方で睡眠負債2時間以上では、SJL水準はこれらの指標に一定の影響を示さなかった。これより、睡眠不足が強い時は、SJLへの対応は考慮しなくて良いが、睡眠不足が少ない状態においては、パフォーマンスを保つために、睡眠覚醒周期の恒常性を維持するような配慮が必要であると考えられた。 さらに31年度のDSWPD疫学調査の項目を作成し、小規模人口で回答の精度を検討し、内容のブラッシュアップを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
R1年度はDSWPDとsocial jet lagの大規模web疫学調査を行う。 研究にあたっては、日中昨日と共にクロノタイプに注目する。 対象者は16-30歳とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
H30年度のweb予備調査には、経費を必要としなかったため、予算は次年度使用とした。
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備考 |
・井上雄一: ベンゾジアゼピン系薬剤と新規睡眠薬の適応と限界. 燕市医師会学術講演会, 新潟, 2018. ・井上雄一: 不眠症治療の効率化をめざして. 北東北睡眠医療研究会 冬季セミナー, 花巻市, 2019.
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