研究課題
2019年 10月10000人の若年者(15-30歳)よりweb 質問紙への回答を得て、データクリーニングを行った結果、8700名が有効だった(男女差無し)。この対象人口において、30%以上がBRIANスケールでの異常領域(40点以上)にあること、全体の4%が欠席・遅刻を伴う病的水準(睡眠覚醒相後退障害;DSWPD)を示していることを確認した。また、夜間睡眠中間点(MP)は、22歳まで上昇、その後ゆるやかに下降を示すこと、社会的時差ボケ(週日と休日の睡眠時間帯の差;SJL)2時間以上の群の割合も同様の傾向を示していた。MP後退には、夜間液晶ディスプレイ使用時間の長さが正の相関を示していた。なお、アテネ不眠評価尺度で調べた不眠罹患状況には、年齢に依存した変化はみられず、性差も存在しなかった。MPの後退ならびにDSWPDの罹患は、presenteeismの水準、absenteeismの水準と相関を示しており、さらにこれらはK6で評価した抑うつ水準ならびにSF-8でのmental component summary低下水準と正の相関を示していた。現在は、上記時間生物学的異常の発現に関わる、心理社会学的な背景の検索を進めているところである。不眠については、TIPIを用いた性格傾向との関係についても検討を試みている。調査終了後に回答者へ全体の結果を送付、さらに同意を得られた対象者に二次調査を行う準備を開始した。現在までの研究実施目標はほぼ完全に達成しているが、昨今のCOVID-19感染拡大による外出自粛(自宅待機)の影響を観察するため、1年後の予後調査だけでなく、半年後(2020年4月時点)での変化についても検討を予定している。
2: おおむね順調に進展している
予定通りに進行しているため。
R2年度はCOVID-19感染拡大下での調査を行い、終息後に予備調査を行う予定である。
web調査(予備調査)の集計費用が残ったが、令和2年度に補助者謝金として使用予定である。
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