在宅で要介護者を介護する者(以下、家族介護者)は数百万人と推定され、その数は増加の一途を辿っている。現在、在宅介護に伴う、家族介護者による、要介護者への虐待行為が社会問題となっており、特に、虐待の先駆的行為である不適切処遇を行う可能性が高い者(以下、ハイリスク者)を迅速に抽出することが喫緊の課題となっている。本研究は、不適切処遇の関連要因および発生要因を多変量解析等を用いて明らかにし、その解析結果に基づき、ハイリスク者を迅速に抽出することができるようなチェックリスト作成により現場でのニーズに応えるものであり、社会的意義は相応にあるものと思われる。
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