今後の研究の推進方策 |
令和元年以降の研究計画 1) 速やかに、TRPC3の発現が安定にノックダウンしているYKG-1細胞株を作製し、CACNA1C、S100βの発現を確認する。また、各遺伝子のタンパクレベルでの発言変動、細胞内Ca2+動態を蛍光プローブFura2AMで測定する。なお、気分安定薬であるリチウムはGSK3βを直接的阻害作用を有していることから、結果次第においては、GSK3βの発現変動も確認していく。 2)In silico 解析で予測されたSNP rs1006737のA allele 特異的Nested gene(遺伝子X)を同定するため、①健常者(n = 50)の唾液から、DNA及びRNAを抽出し、抽出したDNAから同SNPのGenotypingを行った後、得られたRNA を用いてallele間におけるCACNA1C及びTRPC3の発現量の変化を検証し、また遺伝子Xの発現を確認する。②5’及び3’RACE 法で、遺伝子Xの全塩基配列を決定する。③ゲノム編集技術を用いて、YKG-1細胞で双極性障害のリスクバリアントであるSNP rs1006737のA allele 細胞株(CACNA1CA/A細胞株)を作製し、遺伝子Xの同定ならびにCACNA1C及びTRPC3 の発現量を検証する。 3)CACNA1C/TRPC3相互作用における遺伝子Xの機能を解析するために、①CACNA1CA/A 細胞株を用いて、リチウム(0~2.0 mM、0, 1, 3, 7日間)投与及びH2O2による酸化ストレス時のCACNA1C、TRPC3、S100βの発現変動、細胞増殖率を測定する。②リチウム(0~2 mM、0, 1, 3, 7日間)投与後、H2O2による酸化ストレス時の細胞内Ca2+動態を蛍光プローブFura2AMで測定する。
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