我々は、双極性障害で認めるストレスシグナル伝達破綻に関わるカルシウムチャネルの機能解析を行った。双極性障害と関連を認める電位依存性カルシウムチャネルのα1サブユニット(CACNA1C)の遺伝子多型 “rs1006737” の機能解析として、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集技術によりG⇒A(リスクバリアント)に置換した細胞株を作製した。同細胞株では、CACNA1Cの発現が上昇しているだけではなく、酸化ストレスによる細胞膜電位の変化や細胞内カルシウム濃度の上昇も認めた。また、細胞内貯蔵作動性カルシウムチャネル“TRPC3”の発現も上昇しており、両遺伝子の相互作用が示唆された。
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