研究課題/領域番号 |
18K07599
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
毛利 健太朗 神戸大学, 保健管理センター, 助教 (00642125)
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研究分担者 |
菱本 明豊 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (50529526)
朴 秀賢 神戸大学, 医学研究科, 講師 (60455665)
大塚 郁夫 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40722880)
高橋 健太郎 神戸大学, 保健管理センター, 助教 (30379367)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自殺 / 若年者 / テロメア長 |
研究実績の概要 |
自殺の早期発見・予防には、バイオマーカーの確立と生物学的病態機序の解明が不可欠である。特に若年者の高い自殺率に大学生世代の自殺問題が占める割合は非常に大きい。我々は世界最大規模の自殺者血液試料を有する強みを生かして「日本人若年自殺者において末梢血テロメア長が顕著に短縮している」ことを見出した。本研究において自殺ハイリスク学生の末梢血テロメア長を測定し、自殺念慮・抑うつ・ストレス反応の評価スコアの推移や自殺企図の有無との関連、同年代の健康な学生のテロメア長を対照とした比較解析を行うことで、末梢血テロメア長が自殺リスクのバイオマーカーとして有用かどうかを検討し、最終的にはそのデータを元に、若年者の自殺予防に有用な世界初のバイオマーカーを簡便かつ非侵襲的に採取可能な末梢血サンプルでの測定というパッケージにて確立することを目指している。 R元年度は、自殺ハイリスク学生の中で本人の研究同意が得られた学生と同じく研究同意の得られた対照群となる健常学生に対し、末梢血テロメア長測定及び自殺企図の有無の確認、HAMD17(抑うつ)・SRS18(ストレス反応)・コロンビア自殺スケール(C-SSRS)といった心理学的検査の施行を行った。テロメア長の測定にはテロメアとシングルコピー遺伝子のプライマーを用いて定量PCRを行い、テロメア/シングルコピー遺伝子(T/S)比を算出する手法を用いた。またテロメア動態とも関連があるとされるミトコンドリアDNAコピー数や長寿遺伝子Sirtuin1の遺伝子多型についても併せてジェノタイピング・統計学的解析を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も研究同意が得られた希死念慮がある学生及び対照群となる健常学生に対して、末梢血を採血し臨床検体でのテロメア動態の測定、自殺企図の有無の確認、HAMD17(抑うつ)・SRS18(ストレス反応)・コロンビア自殺スケール(C-SSRS)といった心理学的検査の施行、生活歴(喫煙・飲酒・睡眠時間など)の聴取を行った。次年度も同様のプロトコールを適用しながらサンプル数を増やす予定である。
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今後の研究の推進方策 |
R2年度も引き続き新入生健康診断時に行うUniversity Personality Inventory(UPI)という自己記入式の健康調査票で抽出した自殺ハイリスク学生の中で本人の研究同意が得られた学生、及び対照群となる健常学生に対し、末梢血テロメア長測定及び自殺企図の有無の確認、HAMD17(抑うつ)・SRS18(ストレス反応) ・コロンビア自殺スケール(C-SSRS)といった心理学的検査の施行を行う。そして前年度までに蓄積された各学生の末梢血テロメア長・心理学的検査のデータを用いて、1.自殺念慮・抑うつ・衝動性・ストレス反応のスコアと末梢血テロメア長に相関があるか、2.フォロー開始時の末 梢血テロメア長がその後の自殺企図の有無を予測できるか、の2点について、統計学的解析を行う。
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