研究課題/領域番号 |
18K07608
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
中前 貴 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50542891)
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研究分担者 |
佐野 睦夫 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30351464)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 強迫症 / 強迫性障害 / バーチャルリアリティ |
研究実績の概要 |
強迫症(obsessive-compulsive disorder: OCD)は、排泄物やばい菌などの汚れを過剰に恐れるあまり手洗いがやめられなくなるなど、繰り返しの行動で特徴づけられる精神疾患であり、その生涯有病率は2-3%と高いだけでなく、日常生活への障害が大きい疾患として知られている。本研究では、洗浄強迫の症状を有するOCD患者を対象に、バーチャルリアリティ(VR)ソフトウェアを用いて曝露反応妨害法を行い、その治療効果ならびに脳構造・脳機能への影響を調べることを目的としている。 2018から2019年度にかけて、VRに慣れ親しんでいない者にも使いやすいように、VRソフトウェアの改良を行うとともに、内発的動機づけをどのように評価するかについての検討を加え、最も適当と思われる評価尺度を選定した。 2020年度は、強迫症患者10名と、健常者10名を対象に、VR空間の中でトイレ掃除を行うプログラムを体験してもらい、その治療前後で内発的動機づけに変化が生じるかを質問紙を用いて評価することを主な目的とし(主要評価項目)、強迫症状が誘発されたどうかを含む使用感、VR酔いなどの有害事象の有無を副次評価項目とする研究計画について、京都府立医科大学医学倫理審査委員会より承認を受けたが、新型コロナウイルス感染拡大により、データの収集は見合わせている状況である。 また、健常者20名を対象に、上記のトイレ掃除のVRプログラムを、ゲーム性あり・なし、振り返りあり・なしの4グループにわけて体験してもらい、内発的動機付けに与える影響の検証を行ったところ、振り返りによって内発的動機づけを向上できることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により、患者群のデータ収集を見合わせているため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大の状況が落ち着けば、感染予防対策を取りながら患者群のデータ収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予定していた通りに研究対象者のリクルートが進まず、研究費の執行が少なく次年度使用額が生じた。次年度以降、研究対象者への謝金などにあてる。
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